サイエントリの日々のきろく

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書評:世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」勝ち続ける意志力

こんにちはサイエントリです。

今日は最近読んだ本のお話をしたいと思います。

タイトルは「勝ち続ける意志力

著者の梅原大吾氏は日本で初めてのプロゲーマーであり、ゲーム業界のレジェンド。現在でも世界トップレベルのプレーヤーとしてご活躍されていて、世界中からカリスマ的人気を誇ります。

しかし彼の、華々しいスターになるまでの道程は、長く険しい回り道の連続でした。

何度となく人生に迷い、栄光を掴んでは挫折を味わい、絶望し、努力や鍛錬を続けてはまた絶望をくりかえす。作中の言葉の中には、不安定な勝負の世界の最前線で戦い、勝ち続けてきたからこそのパワーがあります。

まずは変化すること

『自分を変えるとき、変化するときのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということだ。もし悪くなったとしたら、それに気付いたときにまた変えればいい。』 第二章 99.9%の人は勝ち続けられない

 

梅原氏ほど変化せよ。変化なくして成長なし。と考える人はいないんじゃないだろうか。彼がこれほどまで変化せよと説く理由は、元来ヒトは変わることが嫌いな生き物だからだ。

変化を恐れ、現状を肯定したい気持ちはわかる。また、せっかく勇気を出して前に進もうとしたならなるべく最短距離で目標に到達したい気持ちもわかる。

でもそれを言い訳に変化するための行動を起こさないのはもっとも無駄なことだと彼は言う。

変化とは成長なのだ。小さな変化を積み上げる。

毎日ほんの少しの変化を意識しながら生活すれば、一年後にはとてつもなくおおきな変化になっているだろう。

「これまで100円を払って買っていたものを98円で買える場所を見つけた。そんな小さな発見で十分だ。」

たった2円のプラスの発見でも成長を感じられれば先に希望を持てるのだ。

王道も必勝法もない

『こうすれば強くなれる。王道と言えるそんな方法も、ほとんど存在しない。先頭を走り続けてきた僕は、教えてもらうことができない。』 第二章 99.9%の人は勝ち続けられない

 

彼のようにトップ中のトップの人間ならなおさらだろうが、自分の実力をてっとりばやく上げる方法なんてのは、結局のところ誰にも教えてもらうことなんてできない。

こうすれば強くなる。だとか、こうすれば上手くいく。なんて言葉に乗せられてはいけない。これは厳に自分に言い聞かせておきたいところ。

彼のゲーム練習はいたってシンプルだ。梅原氏曰く。

「練習においてはすべての可能性を試していくような取り組みしかできない。必勝法はないと確信しているからこそ、次から次へと手を替え品を替える。」

とにかく出来ることを片っ端から試してみるだけ。その中でこれはいい、これは使える。これは使えない。を、ひとつづつ判断しているのだ。

この方法は一見遠回りのように見えるかもしれない。でもどれがよくてどれがダメなのか経験として身体が覚えていてくれる。ひたすら経験を蓄積させていくことだ。

正解がどこにあるのか迷う必要すらない。なぜならすべての方向を探りつくすから。だからどこかで必ず正解が見つかる。

彼は「迷路でいえば、右の壁に沿って歩き続けてゴールにたどり着くようなやり方だ。」と言う。

たとえ非効率的に思えても、諦めてやめてしまったり効率ばかりを求めてはいけない。いつか正解にたどり着くのだし、思わぬ収穫があったりするのだから。

過去にやっていたRPGゲームでは、とりこぼした宝箱がないか確認するためにダンジョン内のすべての道をくまなく探索したっけ。現実世界でも、たとえ無駄だと思ってもそれが無駄かどうか確認することが、のちのち重要な気付きにつながったりするのかもしれない。

 雀荘での修行

「池袋の雀荘には明らかに僕よりも強いTさんという人がいた。その人に張り付いて、盗めるだけ盗んでやろうと決めた。(中略)接客の合間に、見ていられるときは、1日10時間でも見ていた。(中略)10時間立ちっぱなしで勝負を見るのは本当につらかった。ほとんどのバイト仲間は10分くらい上手い人の打ち筋を見て、『やっぱり強ぇな』とか『すごいな』と言って自分の仕事に戻って行った。けれども僕は、ひたすら見続けていた。周りの仲間と同じような行動は、僕にはできなかった。『みんな、どうして見るのをやめるんだろう』自分より明らかに上手いと分かっているのに、それを参考にしようとしない。たぶん、麻雀に対する本気度、情熱とか気合いが低いのだろうと思った。」 第三章 ゲームと絶望と介護

彼はセオリー通りにやることが嫌いらしい。なぜなら型にはめたやりかたではどうしても限界というものに当たってしまって、最終的にその殻をやぶれずに苦しむことなる。

しかしながらセオリーというか、ある程度の型や基礎をしっかりと学ぶ必要性も説いている。自分の我を通すのでなく、セオリックなことを学ぶべきだ。

自分より上手い人の真似をしていると、なんとかその技術が身に着いてくる。真似した人と同じベースができてから自分の色をだせばいいのだ。

これはゲームの世界でも、麻雀の世界でも、トップクラスにまで登りつめた梅原氏が言う言葉だからこそ真実だと確信できる。

勝負の世界は本当に厳しい。食うか食われるかのビジネスの世界でもそれは同じだろう。

彼のような才能に溢れる人間でもここまでしているのだ。僕のような凡人ならなおさら圧倒的な努力で勉強し、失敗を恐れず行動して少しづつ積み上げるしかないのだと思い知らされた。